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バンクーバー島にあるコーモックスバレーやカナダについて、日々の出来事についてです。


by courtenay
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遭難 其の4

(続き)

登っていた場所は左右に森があって、木の間を抜けている訳ではないので、その分は登りやすかったし、もし誰かが探しに来てくれても見つかりやすい場所ではあったようです。

周囲もすっかり暮れてしまい、一体、今日は戻れないんだろうか、ビバークするなら、どういった所が良いんだっけ・・・等と考えながら重いスキー板を動かしていました。義姉とはすっかり差がついてしまい、一人で登っているのと然程変わりはなくなっていました。

すると、上の森の木々の間から、光りが見えました。(あれ?)と思っていると、義姉が大声で叫んでいる声が聞こえました。また光りが見え、今度は男の人の声も聞こえました。私も大声を出しました。

その間にも少しでも光りに近づきたくて登る事は止めませんでした。光りが段々とはっきりと見えるようになり、木々の間から青いスキージャケットを着た男の人が現れました。
彼は、まず最初に義姉の所へ行き、話しをすると、私が居る方に下りてきました。彼はスキーも履かず、歩きだったのです。

私の所に来ると、まず自己紹介をし、私の健康状態を聞きました。彼が目の前に来た途端、嬉しくて涙が出ました。義姉の事を聞くと彼女は元気だという話しで、私が比較的元気だと判ると、これから義姉の居る所まで登るから、スキーを外して足跡について来る様に言われました。本当は足の痛みがとても酷くて、歩くのはどうかとも思いましたが、スキーを外せるのがとても嬉しくて、どうにかこうにか義姉の所まで歩いて行きました。(つづく)
by courtenay | 2005-01-15 11:30 | カナダ